2025年インフルエンザ流行予測と予防策を横浜のクリニックが解説

はじめに

毎年冬になると、私たちの健康を脅かすインフルエンザが流行します。特に2025年は、過去の流行パターンや最新のウイルス動向から、その傾向を予測し、適切な対策を講じることがこれまで以上に重要となります。本記事では、2025年の季節性インフルエンザの流行状況と今後の展望について、最新の情報を基に詳しく解説します。また、ご自身やご家族を守るための効果的な予防策についてもご紹介します。

1. 2025年のインフルエンザ流行状況：最新の動向と予測

2025年のインフルエンザ流行は、例年と同様に冬期にピークを迎えることが予測されています。国立感染症研究所（NIID）や世界保健機関（WHO）の発表によると、2025年の北半球シーズンでは、特定のインフルエンザウイルス株が流行の中心となる見込みです。

南半球での流行状況は、北半球のインフルエンザ流行を予測する上で重要な指標となります。現時点での情報では、南半球の一部の地域でA型インフルエンザウイルス（特にH1N1型やH3N2型）の活動が活発であったことが報告されており、これが北半球にも影響を与える可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症との同時流行も引き続き懸念されています。両者の症状は類似しているため、鑑別診断が重要となります。手洗い、うがい、マスク着用、適切な換気など、基本的な感染対策の継続が、インフルエンザと新型コロナウイルスの両方に対する有効な予防策となります。

 2. 9月にも学級閉鎖？異例の早期流行と横浜市の状況

例年、インフルエンザの流行は冬場に本格化しますが、2025年は9月現在においても全国各地で学級閉鎖が報告されるなど、異例の流行状況が続いています[2, 3, 4]。特に愛知県や福岡市では、9月上旬にインフルエンザ様疾患による学級閉鎖が確認されており、早期からの警戒が呼びかけられています[2, 3]。

横浜市においても、2025年9月時点でのインフルエンザの発生状況が報告されています。横浜市健康福祉局のデータによると、市内の一部の医療機関ではインフルエンザ患者の報告が継続しており、特に15歳未満の子どもたちの感染が全体の約48.7%を占めていることが示されています。これは、学校や幼稚園などでの集団感染のリスクが高いことを意味しており、学級閉鎖が発生している地域があることと符合します。

この異例の早期流行の背景には、昨今の気候変動や人々の行動様式の変化などが影響している可能性も指摘されています。しかし、最も重要なのは、流行の時期に関わらず、常に適切な予防策を講じることです。

3. 2025-2026年シーズンの注目株とワクチン効果

2025-2026年シーズンのインフルエンザHAワクチン製造株は、厚生労働省の通知により決定されています。現時点での情報では、以下の株が選定されています[5, 6, 7, 8, 9]。

＜ A型株＞

* A/ビクトリア/4897/2022（IVR-238）（H1N1）

* A/パース/722/2024（IVR-262）（H3N2）

＜B型株＞

* B/プーケット/3073/2013（山形系統）

* B/オーストリア/1359417/2021（ビクトリア系統）

 

これらの株は、世界的な流行状況や専門家の見解に基づいて選定されており、来シーズンの流行の中心となる可能性が高いとされています。インフルエンザワクチンは、これらの流行予測株に対して効果を発揮するように設計されています。予防接種は、発症を抑えるだけでなく、もし発症しても重症化や合併症のリスクを大幅に低減する効果が期待できます[10]。特に、高齢者や基礎疾患を持つ方、乳幼児などは重症化しやすい傾向にあるため、積極的なワクチン接種が推奨されます。

4. 家庭でできるインフルエンザ予防対策【医師解説】

インフルエンザの予防は、個人の健康を守るだけでなく、地域社会全体での感染拡大を防ぐためにも非常に重要です。ワクチン接種に加え、日常生活における予防策を徹底することが、インフルエンザから身を守るための鍵となります。

1. 予防接種の積極的な検討

インフルエンザワクチンは、発症予防や重症化予防に最も効果的な手段です。流行が始まる前に接種を済ませておくことで、免疫を獲得し、感染リスクを低減できます。特に、高齢者、基礎疾患を持つ方、妊婦、乳幼児、医療従事者などは、優先的に接種を検討してください。

2. 手洗い・うがいの徹底

外出から帰宅した際や、食事の前などには、石鹸を使った丁寧な手洗いと、うがいを習慣にしましょう。これにより、ウイルスが体内に入るのを防ぐことができます。

3. マスクの着用

人混みや公共交通機関を利用する際には、マスクを着用することで、飛沫感染のリスクを低減できます。咳やくしゃみが出る場合は、周囲への配慮として必ずマスクを着用しましょう。

4. 適切な湿度の保持と換気

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。加湿器などを用いて室内の湿度を50～60%に保つよう心がけましょう。また、定期的な換気も重要です。室内の空気を入れ替えることで、ウイルス濃度を下げることができます。

5. 十分な休養とバランスの取れた食事

体の免疫力を高めるためには、十分な睡眠と休養が不可欠です。また、栄養バランスの取れた食事を心がけ、体調を整えることも重要です。

6. 人混みを避ける

インフルエンザが流行している時期には、不要不急の外出を控え、人混みを避けるようにしましょう。特に、体調が優れない場合は、外出を控えることが大切です。

これらの対策を複合的に行うことで、インフルエンザに感染するリスクを大幅に減らすことができます。

5. 当院での対応（インフルエンザワクチン接種・発熱外来体制）

インフルエンザワクチンの接種体制

当院では、2025年のインフルエンザ流行に備え、皆様の健康をサポートするため、インフルエンザワクチンの接種を積極的に行っております。当院では、自費診療、公費助成のいずれの場合でもインフルエンザワクチンの接種が可能です。公費助成ありの方・自費の方ともに10月から接種可能といたします。また、患者様の利便性を考慮し、予約は不要で接種いただけます。ご来院いただいた際に、受付にてお申し出ください。

＜予防接種（ワクチン）ページ＞＜2025年インフルエンザワクチン接種のおしらせ＞

発熱外来の体制

また万が一の感染を疑った際には、発熱外来として以下の体制を設けています。

発熱・かぜ症状の方の診療

発熱や咳などの症状がある方は、通常の待合室とは別のスペースで診療を行い、院内感染のリスクを最小限に抑えています。

検査体制

必要に応じて抗原検査を実施し、結果に応じた迅速な対応を行っています。

治療体制

複数ある抗ウイルス薬の中から、患者様にあった薬剤をご提案いたします。

情報提供

最新の感染症情報は、当院ホームページや院内掲示で随時お知らせします。

 

結論

インフルエンザワクチン接種およびインフルエンザウイルス感染疑いに関するご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。皆様の健康と安心のために、スタッフ一同、心を込めてサポートさせていただきます。

 

 

## 参考文献

[1] 2024/25シーズンにおけるインフルエンザの現況と今後の見通しに関する... - 日本感染症学会. https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/influenza_250130.pdf

[2] 今シーズン初のインフルエンザ様疾患による学級閉鎖について - 愛知県. https://www.pref.aichi.jp/press-release/influenza20250908.html

[3] 2025/26シーズン インフルエンザ様疾患による学級閉鎖等の状況報告に... - 福岡市. https://www.city.fukuoka.lg.jp/shisei/kouhou-hodo/hodo-happyo/2025/documents/4infuruenzayoushikkannniyoru.pdf

[4] 「今年は異例の年」早くもインフルエンザが猛威?新学期早々に学級閉鎖... - Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/articles/806f5cd0cd076ade73963efdbb75b9b10a7df805

[5] 2025～2026年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株 - 東京都健康安全研究センター. https://idsc.tmiph.metro.tokyo.go.jp/diseases/flu/flu/vaccine2025/

[6] 年度インフルエン - 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001494611.pdf

[7] インフルエンザワクチン株｜国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供... - 国立健康危機管理研究機構. https://id-info.jihs.go.jp/diseases/a/influenza/040/atpcs002.html

[8] 2025年インフルエンザワクチン、新たな株 - バムルンラード・インターナショナル病院. https://www.bumrungrad.com/jp/health-blog/march-2025/new-strain-of-flu-vaccine-2025

[9] 2025年度インフルエンザHAワクチン製造株決定のお知らせ - アステラス製薬. https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/doc/Pdfs/DocNo202512708_y.pdf?redirect=false

[10] 2025-26年 秋冬 インフルエンザ＆新型コロナワクチン接種ガイド｜やさ... - 明治製菓ファルマ. https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/vaccine_guide/vaccination/25aw.html