夏~秋のアレルギー(ダニ編)
秋のアレルギー
前回は花粉のお話をしましたが、秋に増えるアレルギーはそれだけではありません。通年で存在しているはずのダニやハウスダストに関しても、夏の間に増えた個体が原因となり、秋の頃にアレルゲンとして表出化することがあります。
ダニアレルギーとは
主な原因はヒョウヒダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)です。ダニアレルギーの原因は生体ではなく死骸や糞であることが知られています。
この時期に強まる理由
・夏の高温多湿でダニは爆発的に繁殖し増殖します。
・その後死骸となり室内に大量に飛散することとなります。
→結果的に秋が室内アレルギーのピークなると考えられています。
症状
朝のくしゃみ・鼻水・鼻づまり、夜間や明け方の咳(喘息の悪化)、子どものゼイゼイ・ヒューヒューした呼吸音、アトピー性皮膚炎の悪化などがあげられます。
ダニと食べ物の意外な関係(交差反応)
ダニのアレルギーも、食べ物のアレルギーがつながることがあります。
ダニの体に含まれる 「トロポミオシン」 というたんぱく質は、エビやカニなどの甲殻類にも含まれていて、体が同じものと勘違いしてしまうのです。
そのため、ダニアレルギーがある方がエビやカニを食べると、口のかゆみや発疹などの症状が出ることがあります。
「食べるといつもかゆくなる」など心当たりがある場合は、アレルギー検査で確認できますので、早めに医師にご相談ください。
対策
1.寝具:最も重要です。シーツ・布団カバーは週1回以上洗濯し、布団乾燥機や天日干しを行うとよりよいでしょう。
2.室内掃除:こまめに掃除機をかけましょう(HEPAフィルター付きが推奨されます)。防ダニカバーなどもよいでしょう。
3.湿度:秋にかけて湿度は低下していきますが、基本的に室内湿度50%以下を目標に除湿を行うこともよいとされます。
4.抗アレルギー薬の内服
5.舌下免疫療法
※舌下免疫療法とは
・日本ではダニとスギ花粉に対してのみ保険収載されている治療で、アレルギーの根本的な改善をめざせる唯一の治療です。
・ダニアレルギーに対しては、5歳以上から可能です。
・舌の下に薬(アレルゲンエキス)を毎日投与し、体を少しずつ慣らしていくもので、治療期間は3〜5年が目安とされています。
・アレルギー検査施行し事前検査にてダニアレルギーが証明されている必要があります。またまれにアナフィラキシー症状を呈することもあり、初回は医師による監視が必須です。
まとめ
秋はダニの死骸やフンによるアレルギーがピークになります。掃除や寝具対策でのセルフケアに加え、抗アレルギー薬の内服、根本的な改善を目指すなら“舌下免疫療法”という選択肢もあります。抗アレルギー薬に関しては眠気と効果のバランスを考えた処方を行います。
アレルギー検査も施行できます<院長ブログ:アレルギー検査のいろいろ>ので、お気軽にご相談ください。御予約はこちら
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