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後鼻漏

症状

後鼻漏(こうびろう)は、鼻水がのどの奥に流れ落ちる状態のことを言います。普通、鼻水は前の方に出てきますが、後鼻漏では気づかないうちにのどの方へ落ちていくため、自分では原因が分かりにくいこともあります。

主な症状は以下の通りです:

  • のどにいつも何かが張り付いている感じ
  • こまめに「えへん」とのどを鳴らしたくなる
  • 朝起きたときにのどがイガイガする
  • 咳が長く続く(特に夜間や横になるとき)
  • 声がかすれる、痰がからむ感じ
  • 鼻をかんでもスッキリしない

とくに、風邪が治ったあとでも咳だけが残る場合や、いつも痰がからんでいる感じがするときは、後鼻漏が原因であることが多いです。

鼻と喉はつながっているため、鼻の奥(上咽頭という場所)にたまった鼻水が、知らないうちに喉へ落ちていき、咳や痰のような症状を引き起こします。これは特に、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、気候の変化などで悪化しやすくなります。

中学生や大人でも、学校や仕事中に「咳払い」が止まらなかったり、「のどの違和感」が続いて集中できないということがあります。のどではなく鼻が原因かもしれない、という視点で診察することが重要です。

関連症状:鼻水

検査、診断

後鼻漏は、「鼻水がのどに落ちてくる」という体の感覚が症状の中心なので、見た目やレントゲンで分かりにくいことがあります。そのため、まずは問診(もんしん)と視診(ししん)がとても重要です。

問診で確認すること:

  • いつからのどの違和感があるか
  • 咳が出るタイミング(朝方・夜間・横になったとき)
  • 鼻づまりやくしゃみ、鼻水の有無
  • アレルギーの有無(花粉症・ダニ・ほこりなど)
  • 風邪との関係や再発の頻度

視診(鼻の中の観察):

耳鼻咽喉科では、鼻の中をライトやカメラで観察すること(鼻鏡検査・内視鏡検査)があります。これにより、鼻の奥にたまった粘り気のある鼻水や、鼻腔や副鼻腔の腫れを確認できます。

また、後鼻漏の原因として「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」があるかを調べるために、レントゲンやCT検査を行うこともあります。副鼻腔とは、鼻のまわりにある空洞で、ここに炎症があると粘り気のある鼻水がたまり、後鼻漏の原因になります。

アレルギー検査:

アレルギー性鼻炎が関係していることも多いため、血液検査でアレルゲン(アレルギーの原因)を調べることがあります。特に、ハウスダスト、花粉、ダニなどがよく見つかります。

👉関連ブログ:アレルギー検査のいろいろ

他の疾患との区別:

後鼻漏は、咳喘息やアトピー咳嗽などと間違えられることがあります。特に「せきだけが続く」という場合は、鼻と喉の症状の関係を注意深く観察しながら、咳の原因がどこにあるかを見極めていくことが大切です。

治療

後鼻漏の治療は、鼻水がのどに流れる原因を取り除くことが基本です。症状だけを抑えるのではなく、鼻の炎症やアレルギー反応そのものに対処することが大切です。

原因によって治療方法は変わりますが、主に以下のような薬が使われます。

抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)

アレルギー性鼻炎がある場合に使用します。くしゃみや鼻水、鼻の奥の腫れをおさえることで、後鼻漏の症状が軽くなります。眠気が出にくいタイプの薬も多くあります。

点鼻薬(ステロイド点鼻薬)

鼻の中に直接薬を噴霧することで、炎症をしずめて鼻の通りをよくします。使い続けることで後鼻漏の改善に効果的です。

去痰薬(きょたんやく)

のどに流れた粘い鼻水をやわらかくして、排出しやすくします。咳やのどの違和感の軽減に役立ちます。

抗菌薬(必要に応じて)

副鼻腔炎が原因で細菌感染が疑われる場合には、抗菌薬を短期間使うこともあります。

生活の工夫も大切です:

  • 寝るときは頭を少し高くすることで、鼻水がのどに落ちにくくなります。
  • 空気が乾燥しすぎると粘膜が荒れて症状が悪化するため、加湿器の使用もおすすめです。
  • 水分をしっかりとることで、鼻水や痰がやわらかくなり、排出しやすくなります。

ご相談ください

後鼻漏は、命に関わる病気ではないものの、生活の質(QOL)を下げる症状です。「せきが続いて集中できない」「のどの違和感で寝つけない」といった悩みがある場合、治療によって改善できる可能性があります。

咳が長引いているけれど、胸や肺には異常が見つからないという方は、もしかしたら原因は「鼻」にあるかもしれません。ぜひ一度ご相談ください。

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