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COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫

症状

COPD(シーオーピーディー)は、「慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)」という病気の略です。主に長年の喫煙(たばこ)によって肺がダメージを受けてしまうことで、呼吸が苦しくなる病気です。

名前は難しく聞こえますが、COPDは「肺の生活習慣病」ともいわれており、主に中高年の男性に多く見られます。日本には500万人以上の患者がいるといわれていますが、実際に治療を受けている人はその一部だけで、多くの人が「歳のせい」「体力の問題」と考えて見逃されています。

COPDの主な症状は次の通りです:

  • 階段をのぼったり歩いたりすると息切れがする
  • 長引くせきや痰(たん)がある(特に朝)
  • 風邪をひくと咳や息苦しさが悪化する
  • 以前より体力が落ちた気がする

最初は軽い症状から始まりますが、ゆっくりと進行していくのが特徴です。「年齢のせいかな?」と思われがちですが、実は肺の中で気づかないうちに障害が進んでいる場合があります。

喫煙歴(タバコを吸っていた年数×1日の本数)との関係が深く、特に40歳以上でタバコを吸っていた方は要注意です。

症状が進むと、少しの動作でも息切れがひどくなり、酸素ボンベが必要になることもあります。また、肺炎などの感染症にかかると命に関わることもあるため、早期の発見と治療がとても大切です。

検査、診断

COPDかどうかを調べるためには、呼吸機能検査(スパイロメトリー)が最も大切です。肺の状態を調べて、空気の出しにくさ(閉塞性障害)があるかを確認します。

主な検査内容は以下のとおりです:

  • 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
     息を大きく吸って、一気に吐き出す検査です。吐き出す速さ(1秒量)や、全部でどれくらい吐けたか(肺活量)を測ります。COPDの方は、「1秒間に吐き出せる空気の量」が少なくなる傾向があり、「1秒率」という数値が診断のカギになります。
  • 胸部レントゲンやCT検査
     肺の形や空気のたまり具合を見るために行います。重症化している場合は、肺が大きくふくらんでいたり、「肺気腫(はいきしゅ)」という状態が見られます。
  • 血液検査・動脈血ガス検査
     体にどれくらい酸素や二酸化炭素が行きわたっているかを調べます。酸素が不足していたり、二酸化炭素がたまりすぎている場合、呼吸機能が低下している可能性があります。
  • COPD質問票(CATなど)
     「咳がどのくらいあるか」「日常生活でどれくらい困っているか」などを自己評価するアンケートを使い、症状の程度や治療の効果を評価します。

喫煙歴の確認も重要です:

「何年間たばこを吸っていたか」「1日何本くらい吸っていたか」を確認することで、リスクを数値化できます(ブリンクマン指数)。

早期のCOPDは症状が軽いため、呼吸機能検査を受けないと見逃されがちです。息切れや咳が気になる方は、ぜひ一度検査を受けてみましょう。

治療

COPDの治療の目的は、「息苦しさを減らして、できるだけふつうの生活を長く続けられるようにすること」です。そのためには、薬による治療と生活習慣の見直しをあわせて行うことが大切です。

禁煙(最も重要)

COPDの進行を止めるには、たばこをやめることがもっとも重要です。どんなに良い薬を使っても、喫煙を続けていては治療の効果は限られます。禁煙を始めることで、病気の進行を遅らせることができます

当院では、禁煙外来の相談も可能です。

吸入薬(気管支拡張薬)

COPDの症状を和らげる薬の中心は、「吸入薬」です。吸入器を使って肺に直接薬を届けることで、気管支を広げて息をしやすくします

主な薬には次のような種類があります:

  • LAMA(長時間作用性抗コリン薬)
  • LABA(長時間作用性β刺激薬)
  • ICS(吸入ステロイド)※喘息を合併している場合に使用

吸入のやり方にはいくつかタイプがあり、自分に合ったデバイスを選ぶことも治療の成功には重要です。

呼吸リハビリテーション

運動や呼吸のトレーニングを行うことで、体力を保ち、呼吸を楽にする方法です。理学療法士と一緒に、ウォーキングや筋力トレーニング、腹式呼吸などを行います。

ワクチン接種

風邪や肺炎を予防することは、COPD患者にとってとても大切です。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを定期的に受けることがすすめられます。

酸素療法(進行した場合)

病気が進んで体に酸素が足りなくなった場合、自宅で酸素を吸う「在宅酸素療法」が必要になることがあります。

ご相談ください

COPDは「肺の生活習慣病」といえる病気です。息切れや咳が気になるけれど、年齢のせいだと思って我慢している方がとても多いのが現状です。早期に見つけて治療を始めれば、進行を防ぎ、元気に日常生活を送ることができます

「長引く咳」「動いたときの息切れ」などがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

当院では各種クレジットカード、およびPayPayでの決済が可能です。
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