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腸炎(胃腸炎)

症状

腸炎(ちょうえん)または胃腸炎(いちょうえん)とは、胃や腸に炎症が起こることで、腹痛・下痢・吐き気・嘔吐・発熱などの症状が現れる病気です。一般的に「おなかにくる風邪」とも呼ばれることがあり、子どもから大人まで、幅広い年齢層で発症します。

主な症状
  • 下痢:水のような便が何度も出る
  • 腹痛:おなかがしくしく痛む、または強い痛みが断続的に起こる
  • 吐き気・嘔吐:食べたものを吐く、ムカムカする
  • 発熱:軽い微熱から高熱まで
  • だるさ、食欲低下
  • おならが多い、お腹がゴロゴロする

症状は数日でおさまることが多いですが、脱水や体力の消耗が心配な病気でもあるため、油断はできません

胃腸炎の主な原因
  1. 感染性胃腸炎(最も一般的)
     ウイルス・細菌・寄生虫などによって起こります。
    • ウイルス性:ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど
    • 細菌性:カンピロバクター、サルモネラ、大腸菌、腸炎ビブリオなど
    • 寄生虫性:海外渡航時などに感染することがあります
  2. 非感染性胃腸炎
     食べすぎ、飲みすぎ、薬(痛み止め)、ストレス、食物アレルギーなどが原因で胃腸に炎症が起こります。

感染性胃腸炎は冬に多いウイルス性、夏に多い細菌性という季節的な傾向があります。とくにノロウイルスは感染力が非常に強く、学校・施設・家庭内で集団発生することもあるため注意が必要です。

検査、診断

胃腸炎の診断は、症状や発症の経過、食べたもの、周囲の感染状況などを総合的に判断して行います。多くは問診と診察で診断可能ですが、必要に応じて検査を行います。

1. 問診(聞き取り)

  • いつから症状が始まったか
  • 最初の症状は何か(嘔吐?下痢?発熱?)
  • 食事内容(生もの・外食・腐りやすい食品など)
  • 周囲に同じような症状の人がいるか
  • 海外旅行歴や動物との接触の有無

これにより、ウイルス性か細菌性か、感染の可能性が高いかどうかがある程度推測できます。

2. 便検査

  • 便培養:細菌性胃腸炎が疑われる場合に行い、原因菌を特定します(結果に数日かかります)
  • ノロウイルス・ロタウイルス抗原検査:検査キットで15分ほどで判定可能
  • 寄生虫検査:渡航歴や水源の影響がある場合に行うこともあります

3. 血液検査

  • 白血球数やCRP(炎症の指標)を調べて、炎症の強さを確認します。
  • 脱水の有無や電解質バランス(Na・Kなど)をチェックするために、必要に応じて行います。

4. 腹部エコー・X線検査(重症例や鑑別が必要なとき)

  • 腸の動きやガスのたまり方、腸閉塞などの合併症を除外する目的で行うことがあります。

ウイルス性胃腸炎は、通常は数日で自然に回復することが多いため、重症でなければ検査は省略されることもあります。ただし、高熱・血便・強い腹痛・長引く下痢がある場合には、細菌性やほかの病気の可能性を考えて検査が必要です。

治療

胃腸炎の治療は、症状をやわらげる対症療法が中心です。ウイルス性の場合、特効薬はなく、体の免疫力で治るのを待つ間に、体力と水分を保つことが最も大切です。

水分補給(最優先)
  • 下痢や嘔吐で失われた水分や電解質をしっかり補うことが最重要です。
  • 吐き気がおさまっていれば、経口補水液(OS-1など)やお茶、スープなどでこまめに水分補給。
  • 吐き気が強い場合は、少しずつ(スプーン1杯ずつ)時間をかけて。
  • 脱水がひどい場合や飲めない場合は点滴が必要になります。
食事のとり方(回復期に合わせて)
  • 吐き気・下痢が落ち着いてきたら、胃腸にやさしい食事を少量ずつ始めます。
    • おかゆ、うどん、スープ、バナナなど
    • 油っこいもの、乳製品、冷たい物は避ける
  • 回復とともに普通食に戻していきます。
薬による治療
  • 整腸剤(ビオフェルミン、ラックビーなど):腸内環境を整え、回復を助ける
  • 制吐薬:吐き気がつらいときに使用
  • 下痢止め:細菌性胃腸炎のときは原則使わない(菌を体の外に出す必要があるため)
  • 解熱鎮痛薬:発熱や腹痛が強いときに使用
抗生物質(細菌性の場合)
  • 細菌感染が確定または強く疑われる場合(発熱、血便、便培養陽性など)には抗生物質を使うことがあります。
  • ウイルス性胃腸炎には効果がないため、安易な使用は避けます。
感染予防
  • 手洗い・うがいの徹底(とくにトイレ後、調理前)
  • 嘔吐物・便の処理時には手袋・マスク使用
  • 家族内でもタオル・食器は共有しない

ご相談ください

胃腸炎は多くの場合、数日で回復する病気ですが、脱水や食事がとれない状態が続く場合には早めの受診が必要です。症状が長引く場合や、血便・激しい腹痛がある場合は、ほかの腸の病気の可能性もあるため注意しましょう。

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