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頻尿・夜間頻尿

頻尿・夜間頻尿とは?

頻尿(ひんにょう)とは、「トイレに行く回数が多くて困っている」状態のことをいいます。一般的に、日中に8回以上トイレに行く場合や、夜に1回以上起きて排尿する(夜間頻尿)場合は「頻尿」と考えられます。

とくに夜間頻尿は、睡眠が中断されるため、疲れが取れにくくなり、生活の質(QOL)を大きく下げる原因になります。

頻尿の種類と原因

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)
  • 膀胱が勝手に縮んでしまうため、急に強い尿意が起きて我慢できなくなる状態です
  • 加齢や神経の異常が関係していて、女性にも男性にも多い病気です
  • 「急にトイレに行きたくなる」「間に合わないことがある」「ちょっとしか出ないのに何度も行く」が特徴
前立腺肥大症(男性)
  • 中高年の男性に多い病気で、前立腺が大きくなって尿の通り道を圧迫します
  • 「出にくい」「切れが悪い」「残尿感がある」といった症状に加えて、夜間頻尿もよく見られます
膀胱炎・尿路感染症
  • 細菌が膀胱に入って炎症を起こす病気です
  • 頻尿、排尿時の痛み、残尿感、時に血尿を伴います
糖尿病
  • 血糖が高いと、尿に糖が出て水分を引き込むため、尿の量と回数が増えます
  • のどの渇きや体重減少も一緒に見られることがあります
心不全・腎臓病・高血圧の薬の影響
  • 利尿剤を使っている場合、尿の回数が増えます
  • 寝ている間に足のむくみが吸収され、尿として排出されることで夜間頻尿が起こることもあります
多尿(尿量そのものが多い)
  • 水分のとりすぎ、糖尿病、尿崩症などが原因で、1回の尿量も多いタイプ
心因性(ストレス・不安)
  • 学校や仕事での緊張、不安が強いと、トイレが近くなることがあります(過敏性膀胱)

頻尿・夜間頻尿は、年齢や体質だけでなく、病気のサインであることも多いため、生活に支障がある場合は早めの相談が大切です

頻尿・夜間頻尿の検査

頻尿の原因を明らかにするためには、症状の聞き取り(問診)といくつかの検査を行います。排尿の回数やタイミング、尿の状態を整理することが、原因の特定につながります。

【1】問診
  • 1日に何回くらいトイレに行くか(昼・夜)
  • 尿意の強さ(我慢できない?)
  • 尿の出方(勢い、残尿感、切れの悪さなど)
  • 痛みや血尿はあるか?
  • 水分のとり方、生活習慣、服薬内容(利尿剤など)
  • 糖尿病や腎臓病、高血圧などの既往歴の有無
【2】排尿日誌(排尿記録)
  • 何時にどれくらい尿が出たかを2〜3日記録することで、多尿か、頻回か、夜間に集中しているかがわかります
【3】尿検査
  • 尿中の糖(糖尿病の有無)、たんぱく、白血球(感染)、血尿の有無などを調べます
【4】血液検査
  • 血糖値、腎機能、電解質、炎症反応などを確認します
  • 糖尿病、腎不全、感染症の評価に役立ちます
【5】超音波検査(腹部エコー)
  • 腎臓・膀胱・前立腺(男性)の状態をチェックします
  • 膀胱に尿がどれくらい残っているか(残尿測定)も確認します
【6】残尿測定・尿流量検査(必要時)
  • 排尿後にどれだけ尿が残っているかを測定します(残尿が多いと膀胱炎になりやすくなります)
  • 尿の勢いや排尿時間を調べることで、前立腺肥大症などの診断に役立ちます
【7】心理的な要因の確認
  • 不安や緊張が強いと、身体的異常がなくても頻尿が起こることがあり、生活背景を確認します

頻尿・夜間頻尿の治療

頻尿や夜間頻尿の治療は、原因に応じた対処と、生活の質を下げないための工夫の両面から行います。

【1】過活動膀胱の場合
  • 抗コリン薬やβ3作動薬など、膀胱の収縮を抑える薬を使います
  • 効果が出るまでに1〜2週間かかることが多いです
  • 副作用(口の渇き、便秘など)が出ることがあるため、医師と相談しながら使います
【2】前立腺肥大症(男性)
  • 前立腺をゆるめて尿の通りをよくする薬(α1ブロッカー)を使います
  • 重症例では手術が必要な場合もありますが、内服で改善することがほとんどです
【3】膀胱炎・尿路感染症
  • 抗生物質を使って細菌を除去します
  • 症状がなくなっても、指示された日数はしっかり薬を飲み切ることが大切です
【4】糖尿病・内科的な病気が原因の場合
  • 原因となる病気(糖尿病、腎臓病、心不全など)の治療と管理を行います
  • 血糖コントロールを整えることで、頻尿が改善することもあります
【5】生活習慣の見直し

水分のとり方

  • 日中はしっかり水分をとり、夕方以降は控えめにすると夜間の尿意が減ります
  • 利尿作用のあるカフェインやアルコールも控えましょう

骨盤底筋トレーニング(体操)

  • 特に女性の方に有効で、尿道や膀胱を支える筋肉を強くすることで頻尿が改善します

排尿間隔トレーニング

  • 少しずつトイレの間隔を延ばしていくことで、膀胱の容量を回復させるリハビリ的な方法です
【6】漢方薬や補助療法
  • 体質に合わせた漢方薬(八味地黄丸、牛車腎気丸など)も選択肢になります
  • 高齢者や複数の症状がある方にも使いやすい場合があります

ご相談ください

頻尿・夜間頻尿は「年のせい」とあきらめてしまう方が多いですが、実は治療できる病気のことも多く、生活の質を大きく改善できる可能性があります。

当院では、丁寧な聞き取りと必要な検査を行い、症状に合わせた治療をご提案しています。日中や夜間のトイレが気になる方は、お気軽にご相談ください。

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