発疹
発疹とは?
発疹(ほっしん)は、皮ふにあらわれる赤み、ぶつぶつ、水ぶくれ、かさぶた、ただれなどの総称です。皮ふに変化があらわれることをすべて「発疹」と呼び、原因や見た目はさまざまです。
発疹の種類と見た目
- 紅斑(こうはん)
赤くなるだけのシンプルな発疹。触っても盛り上がっていないことが多いです。かぶれやウイルス感染などでよく見られます。 - 丘疹(きゅうしん)
小さなブツブツ。虫さされやアレルギーで見られます。かゆみを伴うことも多いです。 - 水疱(すいほう)・膿疱(のうほう)
中に水や膿が入った発疹です。水ぼうそうや帯状疱疹、細菌感染などで起こります。 - じんましん
皮ふが急に赤くふくらんで、かゆくなる発疹です。数時間で消えるのが特徴です。 - 紫斑(しはん)
血管から出血してできる赤や紫の斑点。押しても消えないのが特徴で、注意が必要です。
発疹の主な原因
- 感染症:はしか、水ぼうそう、風しん、手足口病などのウイルス性の病気や、細菌感染(とびひ)など。
- アレルギー反応:薬、食べ物、金属、ダニ、花粉などに対する反応。
- かぶれ:化粧品、洗剤、植物、虫さされなど外からの刺激によるもの。
- 自己免疫疾患:体の免疫の異常で起こる病気(膠原病など)。
- 内臓の病気のサイン:肝臓や腎臓、血液の病気で発疹が出ることもあります。
発疹は見た目が似ていても、まったく異なる病気が原因のこともあります。特に、熱やかゆみ、体のだるさなどを伴う場合は、自己判断せず、医療機関で診てもらうことが大切です。
発疹の検査
発疹が出たとき、原因を見つけて適切な治療を行うためには、以下のような検査や診察が必要です。
【1】問診
- いつから発疹が出たか
- 最初に出た場所と広がり方
- かゆみ・痛みの有無
- 発熱やのどの痛み、咳などの全身症状の有無
- 使った薬や食べた物、外出先や動物との接触歴
- 家族や周囲に同じ症状の人がいるか
【2】視診(皮ふの観察)
発疹の色、大きさ、形、水ぶくれの有無、かさぶたの有無、左右対称かどうかなどを観察します。必要に応じて写真を記録して経過を追います。
【3】アレルギー検査(血液検査)
アレルギーが疑われる場合は、特定の物質に反応しているかどうかを血液で調べます。IgE抗体の値や、ハウスダスト、食物、金属などに対する感受性を評価します。
【4】血液検査(全身の状態チェック)
発熱や全身倦怠感がある場合は、白血球数や炎症反応、肝機能、腎機能、血小板数などを調べて、ウイルス感染や内臓の病気の有無を確認します。
【5】皮膚の拭き取り・培養検査<皮膚科紹介>
とびひや膿を伴う発疹がある場合は、細菌の有無や種類を確認するために培養検査を行うことがあります。
【6】皮膚生検(必要時)<皮膚科紹介>
診断が難しい場合は、皮ふの一部を小さく採取して顕微鏡で詳しく調べることもあります(生検)。
発疹は、視診や問診からある程度診断がつくことも多いですが、重大な病気が隠れている可能性もあるため、注意深く評価します。
発疹の治療
発疹の治療は、原因や重症度によってさまざまです。見た目の発疹を抑えるだけでなく、根本原因にアプローチすることが大切です。
【1】アレルギー・かぶれが原因の場合
- ステロイド外用薬(塗り薬):炎症をおさえて赤みやかゆみを軽くします。
- 抗ヒスタミン薬(飲み薬):体の中のアレルギー反応をおさえる薬です。
- 原因物質からの隔離:アレルゲンや刺激物を避けることが最も重要です。
【2】感染症が原因の場合
- 抗ウイルス薬・抗菌薬:とびひやヘルペス、水ぼうそうなどのウイルスや細菌が原因の場合は、対応する薬を使います。
- 感染対策:手洗いやタオルの共用を避けるなど、周囲への感染予防も大切です。
【3】じんましんの治療
- 抗ヒスタミン薬(内服):じんましんによるかゆみや赤みをしずめます。
- 原因の特定と回避:食べ物、薬、ストレス、温度変化などの引き金を見つけ、避ける工夫をします。
【4】慢性的な湿疹やアトピー性皮膚炎
- ステロイド外用薬や保湿剤の継続使用
- 非ステロイドの外用薬(免疫抑制薬)
- 生活習慣の改善・スキンケアの指導
【5】その他、全身疾患が関係する場合
- 血液や内臓の病気が原因の場合には、専門科と連携して治療を行います。
- 単なる「皮ふトラブル」と思われがちな発疹が、全身の病気のサインであることもあるため、診断が大切です。
【6】生活でできる予防・対策
- 肌を清潔に保ち、保湿を心がける
- 香料や刺激の少ない石けん・洗剤を使う
- 強くかかず、冷やしてしずめる
- 熱いお風呂・長風呂を避ける(乾燥を悪化させる)
- 食事・睡眠・ストレス管理も大切
ご相談ください
発疹は「赤くてかゆいだけ」と思われがちですが、命にかかわる病気のサインであることもあります。自己判断せず、症状が強い・広がる・長引くといった場合は、早めにご相談ください。適切な診断と治療で、早期改善を目指しましょう。必要に応じて総合病院の皮膚科も紹介可能です。
当院では各種クレジットカード、およびPayPayでの決済が可能です。
クレジットカード:VISA、Mastercard、JCB、Diners Club、American Express、JACCS、Discover
QRコード:PayPay