くしゃみ
くしゃみとは?
くしゃみは、鼻の中に入ってきた異物(ほこり、花粉、ウイルスなど)を外に出そうとする、体の自然な防御反応です。急に息を吸い込み、勢いよく鼻や口から空気を吹き出す動きで、「ハクション!」と音が出ます。
一時的なくしゃみは健康な人でもよく起こりますが、毎日のように何回も出る、続けて何回も出る、他の症状(鼻水、目のかゆみ、鼻づまりなど)を伴う場合には、何らかの病気が関係していることがあります。
くしゃみの主な原因と種類
アレルギー性鼻炎
アレルギーによるくしゃみは、最もよく見られる原因の一つです。スギやヒノキなどの花粉(季節性アレルギー)、ハウスダスト・ダニ・ペットの毛(通年性アレルギー)などが関係します。くしゃみと同時に、透明な鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどを伴います。
風邪やウイルス感染
風邪の初期症状としてくしゃみが出ることがあります。ウイルスが鼻やのどの粘膜を刺激して、くしゃみを引き起こします。のちに咳や発熱を伴うことが多いです。
寒暖差や光の刺激
気温の急な変化(冷たい空気を吸い込んだとき)や、強い光(太陽など)を見たときにくしゃみが出る人もいます。これは「寒暖差アレルギー」や「光くしゃみ反射」と呼ばれますが、病気ではなく体質的な反応です。
鼻の構造の異常や慢性副鼻腔炎
鼻の奥の副鼻腔に炎症がある場合や、鼻中隔湾曲症(鼻の仕切りが曲がっている状態)など、鼻の構造が影響することもあります。
くしゃみ自体は一見すると軽い症状に思えますが、続く場合は日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまいます。とくに受験生や仕事中の集中力低下、睡眠障害の原因になることもあるため、早めの対策が大切です。
くしゃみの検査
くしゃみが長引く場合や、日常生活に支障がある場合には、原因をはっきりさせるための検査を行います。
【1】問診
- いつからくしゃみが出ているか
- 一日に何回くらい出るか
- 鼻水や鼻づまり、目のかゆみ、咳などの症状はあるか
- 花粉の季節や、掃除、ペットとの接触で悪化するか
- 家族にアレルギーの人がいるか といったことを詳しく聞いて、アレルギーか感染かを見極めます。
【2】鼻の診察(鼻鏡・内視鏡)<耳鼻科紹介>
鼻の中を観察して、粘膜の腫れや色、分泌物の状態などを調べます。アレルギー性鼻炎では、粘膜が白っぽく腫れ、副鼻腔炎では黄色い膿がたまっていることがあります。
【3】アレルギー検査(血液検査)
血液中のIgE抗体や、特定のアレルゲン(花粉、ダニ、カビ、動物など)に対する反応を調べる検査です。これにより、何がアレルギーの原因かを特定できます。
【4】好酸球(こうさんきゅう)の検査<耳鼻科紹介>
鼻の粘膜を軽くぬぐって、アレルギーに関係する細胞である「好酸球」が増えていないかを調べます。アレルギー性鼻炎の診断に役立ちます。
【5】レントゲン・CT検査(副鼻腔炎が疑われる場合)<総合病院紹介>
副鼻腔(鼻の奥の空洞)の中が炎症で腫れていたり、膿がたまっていたりするかを画像で確認します。
くしゃみの原因をはっきりさせることで、効果的な治療が可能になります。「なんとなくアレルギーっぽい」と自己判断せず、きちんと調べることが重要です。
くしゃみの治療
くしゃみの治療は、原因によって異なります。特にアレルギー性の場合は、「薬」と「生活環境の工夫」の両方が大切です。
【1】アレルギー性鼻炎の治療
- 抗ヒスタミン薬(内服薬)
アレルギー反応を抑える薬で、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどを和らげます。眠気が出るものもあるので、使い方に注意が必要です。 - ステロイド点鼻薬
鼻の中に直接スプレーして、炎症を抑えます。効果が高く、副作用が少ないため、長期間の使用にも適しています。 - 抗ロイコトリエン薬
鼻づまりに強く効く薬です。抗ヒスタミン薬と併用することもあります。
【2】風邪やウイルスが原因の場合
風邪の初期症状としてのくしゃみであれば、自然におさまることが多いです。対症療法として、解熱鎮痛薬や抗ヒスタミン薬などが使われることもあります。
【3】寒暖差や光によるくしゃみの場合
治療は不要なことがほとんどですが、症状が強く生活に支障がある場合は、抗アレルギー薬が処方されることもあります。外出時にはマスクやサングラスの使用が効果的です。
【4】生活での工夫(予防と対策)
- 花粉の季節は外出時にマスク・眼鏡を使用
- 帰宅後は顔を洗い、衣服の花粉を落とす
- 掃除・換気をこまめに行う(特に寝室)
- ペットやぬいぐるみの毛・ダニ対策をする
- エアコンのフィルターを清潔に保つ
ご相談ください
くしゃみは体の自然な防御反応ですが、長引くと生活の質に大きく影響します。「ただのくしゃみ」と思わず、気になる場合は原因をはっきりさせて、正しい治療を受けることが大切です。当院では、症状やライフスタイルに応じた治療をご提案し、必要に応じて総合病院の耳鼻科に紹介も可能です。お気軽にご相談ください。
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