心電図検査でわかること・わからないこと——健診の異常所見の見方も内科医が解説
「健診で心電図の異常を指摘されたけど、何の病気なのか怖くて調べられない」「動悸がするけど、心電図を受けた方がいいのか」「心電図って何がわかる検査なの?」といった不安を抱える方は少なくありません。
心電図は、心臓の電気信号を波形として記録する検査です。痛みはなく、数分で完了するにもかかわらず、不整脈や心筋梗塞、狭心症など命に関わる疾患の手がかりを与えてくれる、非常に重要な検査です。
この記事では、心電図でわかること・わからないこと、健診で異常を指摘されたときの見方、受けるべきタイミングまで、関内サンドウ内科医院の医師がわかりやすく解説します。
心電図検査の基礎知識:仕組みと種類
心臓の電気信号を波形で確認する仕組み
心臓は1分間に60〜100回、電気信号によって規則正しく収縮しています。この電気の流れを体の表面から感知して波形として記録したものが心電図(ECG)です。
心電図の波形は、P波・QRS波・T波といった要素で構成されています。それぞれが心臓の異なる部位やタイミングの電気活動を反映しており、波形の形・高さ・間隔の変化から心臓の状態を詳細に評価します。
患者さんが波形の詳細をすべて理解する必要はありませんが、電気信号の乱れを映し出す検査であるというイメージを持っておくと、医師からの説明がより理解しやすくなります。
心電図検査の主な種類と特徴
心電図には、目的や用途に合わせていくつかの種類があります。当院で対応可能な検査と、専門機関への紹介が必要なものを整理しました。
| 12誘導心電図 | 最も標準的な検査で、両手・両足・胸部の合計10か所に電極を装着し、12方向から心臓の活動を記録します。短時間で終わり、当院でも当日すぐに施行可能です。 |
|---|---|
| ホルター心電図 | 小型装置を装着して24時間の日常生活中の心電図を記録します。当院では行っておりませんが、必要と判断した場合は実施可能な医療機関へご紹介いたします。 |
| 運動負荷心電図 | 運動中の心臓の状態を記録する検査です。安静時ではわからない異常を見つけるために行います。専門設備が必要なため、必要な場合は専門医療機関へご紹介します。 |
心電図で判明すること・判明しないこと
心電図は非常に有用ですが、万能ではありません。検査の特性を正しく理解しておくことが、適切な診断につながります。
| 心電図でわかること | 不整脈の有無や種類、心臓への血流不足(虚血)の痕跡、心肥大の所見、電気伝導の異常(ブロック)など。 |
|---|---|
| 心電図だけではわからないこと | 弁膜症の重症度、冠動脈の細かな狭窄状態、発作が起きていない瞬間の不整脈、心臓の構造や壁の動きなど。 |
心電図で異常がなかったから心臓は大丈夫とは必ずしも言えません。症状が続く場合には、心エコーなどの追加検査が必要になることもあります。
心電図検査の流れ:痛みはなく数分で完了
検査前の準備と注意事項
心電図検査の前に特別な準備や食事制限は不要です。ただし、スムーズな検査のために以下の点をご留意ください。
- 服装:胸部に電極を貼るため、上半身をスムーズに露出できる服装が望ましいです。
- 安静:激しい運動や喫煙、カフェインの摂取は心拍数に影響を及ぼすため、検査直前は避けてください。
- 症状の申告:動悸や胸痛がある場合は、検査前にスタッフへ伝えてください。症状が出ている時の記録が最も診断に役立ちます。
当日の検査ステップ
検査当日の流れは非常にシンプルで、痛みも全くありません。
-
装着準備
上半身を露出し、検査台に仰向けになります。手首・足首・胸部の計10か所に電極を装着します。 -
心電図の記録
安静にした状態で約10〜30秒間、記録を行います。この間は動いたり話したりせずリラックスしてください。 -
記録完了と説明
電極を取り外して終了です。当院では医師がその場で波形を確認し、結果をわかりやすくご説明します。
健診で指摘されやすい主な異常所見の見方
健診結果で「要精査」とされても、すぐに命に関わるものから経過観察でよいものまで様々です。代表的な所見を解説します。
脈拍に関する所見
| 洞性頻脈 | 安静時の心拍数が100回以上の場合です。緊張や貧血、甲状腺の病気などが原因のこともあるため、背景を確認します。 |
|---|---|
| 洞性徐脈 | 心拍数が60回未満の場合です。スポーツ選手などでは正常なことも多いですが、めまいや失神を伴う場合は精査が必要です。 |
期外収縮(上室性・心室性)
本来のリズム以外のタイミングで心臓が収縮する状態で、脈が飛ぶ感覚や胸の違和感として自覚されます。多くは良性ですが、頻度が非常に高い場合や強い症状を伴う場合は詳しい評価が必要です。
心房細動
心房が不規則に細かく震える不整脈です。最大のリスクは心臓内に血栓ができ、脳梗塞を引き起こすことです。診断された場合は、血液をサラサラにする治療の検討が必要になります。
ST変化・T波異常
心臓の筋肉への血流が不足している虚血の可能性を示唆します。狭心症や心筋梗塞との関連が疑われるため、精密検査(CT検査など)が必要になるケースが多い所見です。
心肥大・脚ブロック
| 左室肥大 | 長年の高血圧などにより心臓の壁が厚くなった状態です。血圧管理の状況と合わせて評価します。 |
|---|---|
| 脚ブロック | 電気信号の通り道が遅延している状態です。右脚ブロックは健康な人にも見られますが、左脚ブロックは心臓病が隠れていることが多いため注意が必要です。 |
心電図が正常でも安心できないケース
心電図の大きな限界は、検査をした瞬間の状態しか記録できない点です。発作性の不整脈などは、病院で検査をしている時に限って異常が出ないことがよくあります。
動悸がするのに心電図は正常だったという経験は、決して珍しいことではありません。これは「検査の瞬間は正常だった」というだけで、問題がないことを保証するものではないのです。
症状が繰り返される場合には、紹介先でのホルター心電図や、当院での血液検査による全身チェックなど、次のステップを検討することが重要です。
心電図検査を受けるべきタイミング
以下のような症状や状況に心当たりがある場合は、早めの受診をお勧めします。
- 動悸や脈の乱れ:脈が飛ぶ、心臓がバクバクするといった感覚があるとき。
- 胸の痛み・違和感:胸の圧迫感や、階段を上った際の息切れを感じるとき。
- 健診での指摘:結果に「要精査」とあり、まだ受診できていないとき。
- 持病がある方:高血圧や糖尿病があり、心臓への負担が心配なとき。
動悸の詳細については当院の動悸ページもあわせてご確認ください。
まとめ:心電図は気になった時にすぐ受けられる検査です
- 心電図は心臓の電気信号を記録し、不整脈や虚血を評価する基本的で重要な検査です。
- 痛みはなく数分で終了し、関内サンドウ内科医院では受診当日の検査が可能です。
- 「異常なし」でも症状が続く場合は、隠れた病気を見逃さないための追加評価が必要です。
- ホルター心電図などの特殊検査が必要な際は、適切な専門医療機関へ速やかにご紹介します。
横浜・関内エリアで「健診の結果が心配」「最近動悸がする」といったお悩みをお持ちの方は、お気軽に当院へご相談ください。医師が丁寧にお話を伺い、適切な検査と治療方針をご提案いたします。
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