帰省・旅行前に確認したいお薬と持病のチェックリスト
「お盆に実家に帰るけど、薬が足りるかな」「旅先で体調を崩したらどうしよう」——慢性疾患で通院中の方にとって、長期の外出は少し心配が伴います。でも、事前に確認しておくことは多くありません。この記事では、帰省・旅行前に済ませておきたいチェックポイントを4つにまとめました。
出発前に確認①——お薬の残量とお薬手帳
旅行期間+7日分の薬があるか確認する
まず確認したいのは、手持ちの薬が「旅行日数+7日分」あるかどうかです。旅行中に体調が崩れて帰宅が遅れたり、薬を落としてしまうことは珍しくありません。余裕を持った残量が安心の目安です。
薬が足りない場合は、出発前に受診して処方を受けてください。「旅行があるので少し早めに処方してほしい」とお伝えいただければ対応できます。当院でも旅行前の早期受診・処方に対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
お薬手帳は紙でもアプリでも必ず持参する
旅先で体調を崩し、地元の医療機関を受診した場合、どんな薬を飲んでいるかを正確に伝える必要があります。お薬手帳があれば、薬の名前・用量・アレルギー歴を医師にそのまま見せることができます。
紙のお薬手帳を普段持ち歩かない方は、スマートフォンの「お薬手帳アプリ」を活用するのもおすすめです。旅行前に最新の処方内容が登録されているか確認しておきましょう。
薬は預け荷物に入れず手荷物で管理する
飛行機を利用する方は、薬を必ず機内持ち込みの手荷物に入れてください。預け荷物は遅延・紛失のリスクがあり、インスリンなど温度管理が必要な薬は貨物室の低温にさらされる可能性もあります。
旅行中の体調変化に備える——暑さと食事の乱れへの注意点
高血圧の方——外食・旅館食の塩分に注意
旅行中の外食・旅館の食事は、普段の食事より塩分が多くなりがちです。刺身・天ぷら・焼き魚にかける醤油、旅館の汁物、ラーメンや丼ものなど、美味しい旅先グルメが塩分の過剰摂取につながることがあります。
降圧薬を服用中の方は「薬を飲んでいるから大丈夫」と思わず、醤油は「かけず・つけず」の習慣を旅行中も続けてください。汁物は具だけ食べて汁を残す工夫も有効です。
糖尿病の方——食事タイミングの乱れとインスリンの保管
旅行中は移動や観光で食事の時間が不規則になりがちです。経口血糖降下薬やインスリンの服用・注射タイミングがずれると、低血糖や高血糖を招くことがあります。旅行前に主治医と「食事が遅れた場合の対応」を確認しておきましょう。
インスリンを使用している方は、直射日光や高温を避けた保管が必要です。夏場の車内・炎天下のバッグの中は高温になるため、保冷バッグを活用してください。また、低血糖に備えてブドウ糖タブレットや飴を携帯する習慣をつけておきましょう。
利尿薬を飲んでいる方——暑さで脱水が進みやすい
利尿薬(フロセミドやサイアザイド系)を服用中の方は、夏の発汗と重なると脱水が通常より早く進みます。こまめな水分補給を意識してください。ただし、心不全で水分制限を指示されている方は主治医の指示量を守ることが前提です。不安な方は出発前に確認を。
長時間移動で高まる血栓症リスク——新幹線・飛行機での注意点
なぜ長時間の座位で血栓ができやすいのか
新幹線や飛行機での長距離移動では、同じ姿勢で座り続けることで足の血流が滞り、ふくらはぎの静脈に血栓ができやすくなります(深部静脈血栓症)。この血栓が肺に流れると肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を引き起こし、命にかかわることがあります。
高血圧・糖尿病・不整脈(特に心房細動)がある方、利尿薬や血圧の薬を服用中の方は、脱水や血液の粘り気の影響でリスクが高まります。
循環器疾患のリスク管理については国立循環器病研究センターの情報も参考にしてください。
参照:
こまめな水分補給と足の運動を忘れずに
血栓症予防のための具体的な対策は以下のとおりです。
- 1〜2時間ごとに席を立って通路を歩く
- 座ったままかかとの上げ下ろし・足首の回転を繰り返す
- 機内・車内でもこまめに水を飲む(アルコールは脱水を促進するため控えめに)
- 弾性ストッキング(着圧ソックス)の着用も有効
抗凝固薬(ワーファリン・直接経口抗凝固薬など)を服用中の方は、長時間移動前に主治医に相談しておくと安心です。
緊急時のために——相談先を事前に準備しておく
お薬手帳に緊急連絡先と主治医情報を書いておく
お薬手帳の表紙や1ページ目に、以下の情報を書いておきましょう。
- 氏名・生年月日・血液型
- かかりつけ医の医院名・電話番号
- 緊急連絡先(家族の氏名・電話番号)
- アレルギー・服用禁止薬
万が一意識がなくなった場合でも、駆けつけた救急隊員がこの情報をもとに適切な対応ができます。
#7119と帰省先の救急病院を事前確認
具合が悪くなったとき、救急車を呼ぶべきか判断に迷ったら#7119(救急安心センター事業)に電話すると、看護師や医師が24時間対応してくれます(対応地域を事前に確認してください)。
帰省先・旅行先の地域の「休日当番医」「夜間救急病院」をスマートフォンで調べてメモしておくと、万一のときに慌てずに済みます。その地域の自治体ホームページや「救急病院検索」アプリが便利です。
まとめ
- 薬は旅行期間+7日分の余裕を。不足しそうなら出発前に受診する
- お薬手帳(紙またはアプリ)を必ず持参し、緊急連絡先も記入しておく
- 高血圧・糖尿病・利尿薬服用中の方は食事・水分・薬のタイミングに普段より注意を
- 長時間移動では1〜2時間ごとに足を動かし、水分補給で血栓症を予防する
- #7119と帰省先の救急病院を事前に調べておくと安心
当院の患者さまで旅行前に薬の補充・持病の確認をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。
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